初めてこの曲を聴いたとき「ちょっと良くわからないな」と思った。
なにしろ「どっちでもいいや まるで悪い夢の様」なんてネガティブな歌詞から始まるのだ。
なのに目の前で歌う秦君は満面の笑顔で。
コードも聴きなれない複雑な音が聞こえ、ストレートな「シンクロ」やどこまでも伸びやかな「鱗(うろこ)」とは明らかに聴きごこちが異なる。
しかし、2度3度と聴くうちに、はっと何もかもが腑に落ちた瞬間があった。
プロのレビューで「幻想的な世界観」というコメントがあったが、違う。
追い求めている蝶ははっきり見えてそこにいる。これは最強のリベンジソングじゃなかろうか。
そう思い至ったとき、自分とこの曲がはじめて重なって、自然に涙がこぼれた。
スタジオ一発録りの弾き語り「ミルクティー」「やわらかな午後に遅い朝食を」「dot」も青い蝶と一環したテーマで貫かれた選曲なのだろう。
公園で母親の元から離れては駆け戻る子供を想像した。
特典DVDはオーガスタキャンプでの緑が美しいライブ映像4曲。今現在の秦基博にもっとも近い映像。在庫があるうちに。